お父さんの秘密

ご家族が亡くなると、煩雑な相続手続きが開始することになるわけですがまずは、相続人は誰なのか?ということを整理することが大切です。

相続人の範囲については、民法によって被相続人(亡くなった方のこと)との関係に応じた遺産相続順位が定められていて、先順位の方がいる場合、後順位の方は相続人になれない仕組みになっています。ちなみに被相続人の配偶者は必ず相続人になるため、遺産相続順位は関係ありません。

大抵は、子や親、兄弟などの近しい人物が相続人になることが多いですが、思いもよらぬ人物が登場してくることも稀にはあります。

私がこの仕事について間もなくの頃ですが
奥様を亡くされた男性が、相続のご相談にお越しになりました。ご夫婦にはお子さんがいなかったため、相続人は、お越しになったご主人と、奥様の妹さんの合計2人とのことで、奥様が残された財産は法定相続分通りにわけたいとのご希望でした。

相続手続きのご依頼をいただき、遺産分割に必要な戸籍の収集を開始したところ、なんと亡くなられた奥様には妹さんの他にもご兄弟がたくさんいることが判明しました。
奥様のお父様は、少し破天荒な方(失礼しました)だったようで、お母様との間のお子さんの他に、婚外子が3人いることがわかったのです。

お子さんがなく、父母が既に亡くなっている場合は兄弟が相続人になりますが、他にも兄弟がいないかを確かめるため、故人の昔の戸籍まで辿っていく必要があります。いわゆる「認知」していればその事実は戸籍に記されていますので、別にも兄弟がいるということがわかります。

そのことをご主人にお話ししたところ、
「そんな話聞いたことなかった!たぶん妻も知らなかったんじゃないかな」とのことでした。

認知を受けた子であれば、正当な相続人となりますので、これで相続人は5人となりました。
その方達に連絡しないで、遺産分割をしてしまおう・・・は今の法律ではできません。
連絡をとり、事情を説明して、遺産分割協議書に印鑑をいただかないと、奥様の財産を分割することはできません。

ご主人は
「豪快なお義父さんだったからね!でも、さすがに妻にも娘にも死ぬまで言えなかったのかもね。びっくりしたけど仕方ない。できる限りのことはしますので、手続きを進めてください」
とおっしゃいました。

豪快だったお父さん、天国で娘さんと再会して、『面倒かけてごめんね』と謝っているかもしれませんね(笑)

 

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