息子の嫁に財産を渡したいけど、贈与と遺言どっちがいいの?
「もしものことがあったら、面倒を見てくれた息子の嫁に財産を渡したいのよ。
一人の私を近くでずっと面倒を見てくれていたからね。」
ご主人と一人息子を亡くしている方からのご相談です。
相続人の範囲は民法で定められており、配偶者は常に相続人になり、子、父母・祖父母、兄弟姉妹と順位が決められています。
つまり、ご相談者の相続が発生した際、「息子の嫁」は上記の関係に該当しないため、相続する権利がありません。
そんな相続する権利のないお嫁さんに、
「なるべく費用をかけずに効果的に財産を渡せる方法はないのか。」
というお悩みでご来所いただきました。
ご相談者「色々調べたけど、相続人にならない嫁に財産を渡すには、生きているうちに贈与するか、遺言を書いてあげるしかないわよね。どっちがいいのかしら。」
①「財産を生きているうちに渡したらどうなるの?」・・・贈与をする場合
SMC「年間110万円を超える場合は贈与税がかかりますね。」
相談者「じゃあ仮に今、2,000万円あげたら、いくらの税金がかかる?」
SMC 「おおよそ590万円の税金がかかりますよ。」
相談者「そんなにかかるなら厳しいわね。」
②「遺言を書いたらいいのかしら?」・・・遺言を書く場合
SMC「正しく作成された遺言書があれば、元々相続する権利がなかったお嫁さんは財産を引き継げます。自筆ではなく公正証書遺言なら、公証人役場で遺言書の確認・保管ができるので、不備や改ざん等のリスクはありません。そのお手伝いは弊法人が承りますよ。」
相談者「じゃあ遺言をしっかり書けば良さそうね。」
SMC「その場合、相続税が通常より2割高くなります。
本来相続する権利のない(配偶者、子、父母・祖父母・兄弟姉妹以外の)娘さんが財産を取得すると相続税が2割多くかかってしまうんです。」
相談者「公正証書作成にもお金はかかるし、税金も2割高くなるなんてね。」
- 通常相続権のないお嫁さんに財産を引き継がせたい(全財産)
- なるべく早く安心したい
- 不確実な方法は控えたい
- 費用も可能な限り抑えたい
⇒⇒⇒このようなご要望がありましたので、
「養子縁組を考えても宜しいのではないでしょうか。」とお伝えしました。
養子縁組をすると、血縁関係に関わらず法律的に親子関係が成立するので、
- お嫁さん以外に相続人になる人がいないので、遺言を書かなくても全財産相続できます
- 子として相続することになるので、2割加算の適用がなくなり、養子縁組せずに遺言で財産を取得するより相続税が抑えられます。
総合的に判断して贈与するより相続で財産を取得した方がお得です。
相談者「いいじゃない。養子縁組で話を進めてみようと思うわ。」
後に養子縁組をして、「財産を継承の方法を整理できて安心しました。」とご連絡をいただきました。
相続する権利のないお嫁さんに対して、財産を引き継がせる方法は何か?
当初は、贈与かな?遺言かな?と一生懸命に考えていたようですが、大切な財産を守る・承継するのに、ネットで調べた情報だけでは不十分なことが多く、損をしてしまうことや後々問題になることもあります。
少しでも疑問や不安がある場合は、私どものような専門家に一度ご相談をいただければと思います。
数多くの相続を経験してきておりますので、お客様に応じて最善の方法を一緒に考えてご提案いたします。
弊法人では、感染症対策の一つとしてWEB面談も受け付けております。
是非ご活用ください。