目に見えない借地権。その存在に気づけるか?

〇男さんは、亡くなったお父さんから引き継いだ土地建物を売却し、弊法人で譲渡申告をやらせていただくことになりました。

今回売却した土地建物は、お父さんが若いころ購入して飲食店を営んでいた場所とのことですが、買った時の経緯は、家族の誰も知らないとのこと。

譲渡所得の計算は、簡単にいうと売った金額から買った時の金額をひいて、利益が出ていれば税金がかかります。
売った金額はわかるとして問題は買った時の金額。

古い契約書が2つ出てきました。
一つは土地の売買契約書で、土地の購入価格は1,600万だったことがわかりました。
二つめは建物の売買契約書。建物は2,300万で購入したようです。
でも建物は何十年も経っているので償却済です。
そうすると、ひけるものは土地の購入価格だけなので、1億円で売却したこの物件、相当な利益が出そうです。
(注:正確には不動産屋さんへ支払う仲介手数料なんかもひけますが、ここでは割愛します。)

でもちょっと不思議です。
土地の購入価格より建物のほうが高い・・・?
しかも、契約日を見ると土地よりも建物を先に買っている・・・。
さらには、土地の売主と建物の売主はまったく別の人・・・。

実は、ここに「借地権」がかくれていました。
建物の購入価格にみえた2,300万円には、建物の他に「借地権」が含まれていたのです。

ご家族にも確認してみると
「そうだ!お父さん最初は土地も建物も借りて商売してたけど、そのうちがんばって買えたって言ってたよね!」とのこと。
商売が軌道に乗った頃、まずは借りていた建物を借地権ごと購入し、数年後地主さんから土地も購入したようです。

再度書類を準備いただいく中で、借地権が1,600万円という書類も発見することができました。
もし借地権の存在に気づかず、2,300万円全額を建物の購入代金と思って償却してしまっていたら、320万円もの余計な税金を納めることになってしまいます。
(借地権の購入価格 1,600万円×税率20%=税額320万円)

弊法人はチームで動くことも多いですが、今回もひとりで書類と格闘していたら、気づけなかったこともあるかもしれません。

目にみえない借地権の存在には注意しましょう!

 

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