相続登記を行わないデメリットは!?
人が亡くなると、預金の解約・名義変更、年金手続、公共料金の口座変更等、多くの手続きが必要になります。現在、その中で最も煩雑な手続きの一つである不動産の名義変更(以下、相続登記)について義務化が検討されています。
現状では、相続登記は任意で、登記するかどうかは相続人の判断に委ねられています。
つまり義務ではありません。しばらく名義変更していない不動産があるという方もいらっしゃいます。
未だに不動産が祖父母名義のままになっているという方の多くは、「相続登記に法的な義務がない・期限がない、不都合が生じていない、手続きが面倒、登録免許税がかかる、依頼をすると費用がかかる」という理由がほとんどでしょう。
それでは、放置していると後々どのような不都合やデメリットがあるのか、お話しできればと思います。
相続登記をしないデメリットはなにか
売却ができない
所有者がはっきりしないと第三者に対して、売れない・買えない。
権利関係が複雑になる
相続登記を行わない間に別の相続が発生した場合、相続人の人数が増えることがあります。会ったことがない人が相続人になるということも考えられます。
相続登記を行っていない間に、御祖母さん、お父さん兄弟、お父さんの相続が発生したことで、その子どもたちが相続人になり、相談者のいとこの合意も必要になったケースです。
不動産の調査を行った際、相続登記をしていなかった御祖父さん名義の不動産がありました。御祖父さんが亡くなられた際(S40年)の相続人は、奥さん(御祖母さん)と子3人(お父さんとお父さんの兄弟2人)の4人でした。しかし、御祖父さんの相続登記を行わないまま、御祖母さん(S45年死亡)、お父さんの兄弟(H5年死亡)、お父さん(H10年死亡)が亡くなってしまいました。相続登記をするまでは、相続人①~⑤で共有している状況になります。売却を検討していた相談者でしたが、話し合いが決定するまでは売却できません。
もし、兄弟姉妹が多かったり、連絡先も知らないいとこがいた場合、更に話し合いを進めるのが難しくなるでしょう。
差し押さえの可能性がある
相続人のなかに借金がある人がいて支払いが滞っている場合、債権者に持分を差し押さえられる可能性があります。
相続登記を行わないデメリットは戸籍の収集や費用面だけではありません。放置していると、「売却をしたいのにできない!」「相続人が多すぎて手続きが進められない!」という事態になりかねません。そうならないためにも、誰が相続するか確定した時点で速やかに手続きを行うことをお勧めします。もし、ご自身で進めることができない場合は専門家に依頼してください。SMCでは相続専門チームで相談者の問題解決に努めております。まずはお気軽にご相談ください。