株は亡くなる前と後、どちらで渡す方が得か??
不動産賃貸業A社の社長は現在75歳。
後継ぎである二男は一般企業に勤めており現社長が引退する時期は未定ですが、社長の年齢も考え相続対策を検討することになりました。
社長の気がかりなことの一つが、自分が死んだら二男へスムーズに会社を継がせることができるか?ということでした。
現在の株主構成は社長95%、社長の奥様5%
社長が亡くなった場合、95%のA社株式は、
- 相続財産となり相続人全員で誰が相続するかを話し合いで決めることになります。
(遺言がない場合) - 中小企業の株式は上場株式とは違い売却換金できないにも関わらず相続税の対象になり、株価によっては多額の相続税負担になる可能性もあります。
A社の後継ぎは現時点では二男に決定しているものの口約束にすぎません。
社長としても、なるべく早めに二男夫婦へ株を移転し、生前にすっきりさせておきたいという要望があったため、社長が元気なうちに二男夫婦に贈与することにしました。
まずはA社の株価を計算しました。
社長が所有している株を全て二男夫婦に贈与する場合、贈与税がかからない範囲内で毎年110万円までの株を贈与すると6年かかります。
しかし、贈与税の最低税率10%の範囲内で贈与すると2年で贈与することができます。
社長の相続税の試算をしたところ相続税の税率は40%(以下の写真より)
10%の贈与税を払っても2年で株を贈与する方が結果的にも節税になることから、2年で贈与することにしました。
社長が元気なうちに株主の確認と必要な整理を行い、後継ぎへスムーズに会社を継がせることができるようにしておくことが大事だと思います。
社長から息子さんへの株の渡し方は、①社長が元気なうちに、②早めに検討することで、いざという時にあわてなくて済むと思います。
一度、後継ぎへの株の渡し方について考えてみてはいかがでしょうか?